待望の画面サイズ拡大は次世代iPhoneで実現できるか?鍵を握るのはアプリ開発環境の対応【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】【1/1】|スキルと市場価値UPに役立つ情報ポータルサイト「キャリア@PRO人(プロジン)」  

待望の画面サイズ拡大は次世代iPhoneで実現できるか?鍵を握るのはアプリ開発環境の対応【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】【1/1】

2013年12月12日 10:50サービス

待望の画面サイズ拡大は次世代iPhoneで実現できるか?鍵を握るのはアプリ開発環境の対応【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】
画面サイズがそれほど変わらない歴代iPhone、次世代ではより大画面になるか

最新モデル「iPhone 5s」「iPhone 5c」が販売中のAppleスマートフォン「iPhone」。国内で最初に発売された「iPhone 3G」から数えるとすでに第6世代ということになりますが、こと画面の大きさに着目すると、昨年の「iPhone 5」で縦長になった以外大きな変化はありません。

一方、Androidスマートフォンは新製品が出るごとに画面が大きくなってきています。iPhoneユーザーの中には「Androidのようにもっと画面が大きいiPhoneが使いたい」と思っている人もいるかもしれません。

では、実際問題として画面の大きいiPhoneは実現できるのでしょうか?この問題、実はただ大画面ディスプレイを採用すればよいという話題ではないのです。今回の連載「スマホのちょっと深いとこ」では、iPhoneの画面サイズについて、画素数や密度、開発環境に着目して考察していきたいと思います。次の「iPhone 6(?)」を妄想したい人は知っておいて損なし!?


 

【画素数そのままで画面サイズを大きくすると画面が荒くなる】

スマートフォンの画面は、画素(ピクセル)と呼ばれる細かい点の集まりからなっています。画素が光ったり光らなかったりすることで文字や写真などを画面に表示します(*1)。iPhoneの画素数(横×縦)は、iPhone 3G・3GSは320×480ピクセル、「Retina」として画素数が縦横2倍になった「iPhone 4」および「iPhone 4s」は640×960ピクセル、画面が縦長になったiPhone 5以降は640×1136ピクセルとなっています。

*1: 一般には1個の画素の中に赤・緑・青の3個の画素(サブピクセル)が含まれますが、ここではこれらをまとめて1ピクセルと数えます。 これを踏まえて、まず画素数は現状維持のまま画面を大きくすることを考えます。この場合画面を大きくすると連動して画素自体も大きくなります。画素が大きくなればそれだけ目で識別できるようになり、いわゆる「荒い画面」になってしまうことになります。iPhone 4で画素が識別できない「Retinaディスプレイ」をアピールしたAppleにとって、画面を大きくした結果画面が荒くなってしまうのは本末転倒で到底許容できないでしょう。

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同じ画素数で画面を大きくすると画素も大きくなり荒くなってしまう

画面を大きくするときに画素も増やせば、画素の密度を保ったまま(画面を荒くせずに)画面を大きくすることができます。しかしこれを実現するためには、iPhone(iOS)アプリ側の対応が必要不可欠です。

【現在の開発環境では画面サイズや画素数の柔軟な変更に対応できない】

様々な画面サイズが最初から想定されていたAndroidと異なり、iPhoneやiPadなどiOSにおいては、開発環境(Xcode)において限られた画面サイズ(画素数)パターンのみが想定されています。

例えば現状iPhoneの画面は320×480ピクセル、640×960ピクセル、640×1136ピクセルの3パターンしか存在しないため、それ以外の画面サイズ(画素数)においてアプリが矛盾なく画面表示される保証はありません。またiOSには画面の密度に応じて最適な画像を表示する仕組みがありますが、現状ではiPhone 3GSまでとiPhone 4以降(Retina)の2種類の密度パターンしか定義されておらず、それ以外の密度には未対応です。

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現在の開発環境では低密度(画面中「1x」)とRetina(画面中「2x」)の画像が設定可能だが、それを超える密度の画像は設定できない(写真はXcodeの画面)
そのため単純にiPhoneの画面を大きくして画素数を増やしてしまうと、既存のアプリで表示が乱れてしまうことが少なからず想定されます(*2)。

*2: Retinaディスプレイで画素数が増えた時に大きな混乱がなかったのは、画素数が従来の縦横ちょうど2倍で、単純に縦横2倍に拡大表示すればつじつまが合ったためです。その意味で、今度は画素数を縦横ちょうど4倍にするという方法は(ハードウェア的な実現可能性はともかく)考えられます。

【柔軟なレイアウト技術導入も、画面サイズ拡大への道はまだまだ】

このような観点から最近の開発環境を見ると、いろいろと将来への布石が打たれているように思われます。一例としてここではiOS 6から導入された「Auto Layout」を紹介します。Auto Layoutは、画面上の部品を「左からxピクセル、上からyピクセル」と絶対位置で配置するのではなく、「隣の部品からxピクセル」と相対的に配置することができる技術です(*2、*3)。この技術をうまく使えば、画面が大きくなって画素数が増えても、部品が相対的に配置されることで矛盾なく画面表示できる可能性があります。

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Auto Layoutの例。文字の長さに応じてボタン(写真の「動くボタン」)の位置が変わる

ただし、現状の開発環境は(当たり前ですが)現存しているiPhoneの画面サイズのみを想定しており、対応している画面の密度も「iPhone 3GS」までとiPhone 4以降(Retina)のみであることには変わりありません。現状の開発環境で、現状のiPhoneより大きい(画素数の多い)画面に対応したアプリをすぐに開発できるわけではありません。

【大画面iPhoneの実現には開発環境のアップデートが不可欠】

以上より、次世代iPhoneで画面の拡大と画素数の増加を行うためには、アプリの開発環境がそれに対応できるようにアップデートされる必要があります。次世代iPhoneが発売される時点である程度対応アプリをそろえたいでしょうから、開発環境は次世代iPhoneの登場に先行して提供されることになるでしょう。なお、今回はiPhoneについて述べましたが、iPadについてもまったく同じ議論が成り立ちます。

そのため、次世代iPhone(およびiPad)の画面サイズや画素数が気になる人は、開発者でなかったとしても開発環境(Xcode)のアップデートに注目しておくと、何かヒントをつかむことができるかもしれません。来年も「WWDC」は最注目のイベントになりそうです。

記事執筆:えど(吉川英一)

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