問題視される広告表示。どんな規制があるのか【1/1】|スキルと市場価値UPに役立つ情報ポータルサイト「キャリア@PRO人(プロジン)」  

問題視される広告表示。どんな規制があるのか【1/1】

2014年1月16日 18:16IT業界の裁判判例集

問題視される広告表示。どんな規制があるのか

平成24年、プロ野球・楽天が日本一に輝いたことは記憶に新しい。この栄光の陰で、インターネットショッピングモールの「楽天市場」で開催された「日本一大セール」で、割引率を過大に見せる例があった。
具体的には、シュークリーム1個当たりの通常価格を「1200円」とし、これを260円で売ることで、「77%割引」を演出していたのである。
このような表示は、景品表示法4条1項2号(有利誤認表示の禁止)に違反するおそれがあるという。では、同法に違反するとどのような制裁があるのか。また、どのような場合に同法に違反すると判断されるのか。


 

1 景品表示法とは?

景品表示法(正式には「不当景品類及び不当表示防止法」)は、商品の品質を実際より良く見せかける表示が行われたり、不相当に高額な景品付きの販売が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがある。そこで、このような不当又は偽りの表示を行うことを規制するなどして、より良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を作ることを目的とした法律である(同法1条参照)。
そして、不当な表示として規制されるものには以下の3種類がある

  • ① 優良誤認表示(同法4条1項2号)
  • 商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争他社が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為をいう。

  • ② 有利誤認表示(同項3号)
  • 商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為をいう。

  • ③ その他誤認されるおそれのある表示(同項3号)
  • その他商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定する表示行為をいう。

    そして、冒頭に記したとおり、インターネット上の広告ももちろん規制の対象となる。さらに、インターネット上の商取引は、商品に関する表示を簡単に改変でき、消費者も簡単に申込みができてしまうといった特徴を有するため、消費者庁は特にインターネット上の表示方法について注意を呼び掛けている(「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」参照)。

    2 どのようなリスクがあるのか?

  • ① 景品表示法上の制裁
  • 一般からの情報提供等を契機に、消費者庁による調査の結果、違反行為があると認められた場合には、違反行為を行っている事業者に対し、不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる「措置命令」が出される。そして、この措置命令は消費者庁によって公表される。
    このように、罰金などの刑罰こそ科されないものの、違反企業としてのレッテルが貼られれば企業の信用は低下するのであるから、措置命令を軽視することはできない。
    なお、違反のおそれのある行為がみられた場合には行政による指導が行われる。

  • ② 民事法上のリスク
  • 同法違反の表示がされていたと知った消費者はどのような法的措置を取りうるか。この場合、民法上の錯誤無効(民法95条)・詐欺取消し(民法96条)の規定や、消費者契約法・特定商取引法の規定に基づき、消費者に商品の代金相当額の返還請求権が生じることも十分ありうる。また、違法な表示によって商品を購入させられたとして損害賠償を請求されることもありうる。
    そうすると、企業は一度に高額の債務を負うことにもなりかねない。

  • ③ 事実上のリスク
  • 前述のとおり、措置命令が発令されれば、消費者庁はその旨を公表することから、マスメディア等を通して企業名や違反の内容が報道されることも十分ありうる。
    法律違反の事実は企業の社会的信用を低下させ、将来の企業経営に少なからぬ影響を及ぼすものである。
    このように、景品表示法違反をすることは、当該企業の存続に重大な支障をもたらすものなのである。

    3 違反を避けるためにはどうすればいいのか?

    冒頭に挙げた事例では、他社での通常価格と同じ値段でありながら、優勝セールと銘打って「77%割引」という演出をしたことで、消費者に普段買うよりも「お得」であるかのように誤信させた点が問題なのであろう。
    また、最近では、携帯電話用ソーラー式充電器を販売するに当たり、 「ソーラー充電!! 最速約6~10時間で充電!!」と商品パッケージに表示して、あたかも太陽光に当てれば最も速くて約6時間から10時間で充電が完了する性能を有するかのように示す表示をしていたことから、同法違反とされた事例もある。
    このように、実際に問題となった例を見てみると、消費者の誤信を招くような表示が用いられていたことがよくわかる。しかし、自社の製品を宣伝するときには、やはり消費者の注意を惹きつけやすく、購買意欲をかき立てるようなフレーズを用いたいものである。では、このような場合に違反表示とならないようにするためには、どのようなことに注意すればよいのか。

  • ① 消費者庁のガイドライン・景品表示法Q&Aを見る
  • 消費者庁は、商品・サービスの種別ごとに不当な表示についての運用基準やよくある質問コーナー(景品表示法Q&A)を作成し、公開している。もし、自社の提供する商品についてのガイドラインや運用指針が定められているならば、これを参照するに越したことはない。特にインターネット上の広告については、先に紹介した「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」に注意する必要があろう。

  • ② 相談する
  • 消費者庁は、事業者がこれから行う企画の相談にも応じている。ガイドラインや景品表示法Q&Aを見ても、新たに実施しようとする広告が景品表示法に違反するかどうか判断できない場合には、消費者庁に相談してみるのが安全であると思われる。ただし、必ずしも即答してもらえるわけではないので、時間のかかることを見越して早期に相談することが望ましい。
    また、弁護士等の民間の専門家に相談することも考えられる。

  • ③ 特別の規制にも注意する
  • 消費者が日常使用する家庭用品についての表示や、住宅の品質の表示については、それぞれ家庭用品品質表示法や住宅品質確保法に基づく特別の規制がある。また、消費税の表示方法についても、いわゆる消費税転嫁対策特別措置法に基づく特別の規制がある。
    これらの特別法の適用対象となる表示を扱う場合には、景品表示法だけでなく、それぞれの特別法についても十分に配慮する必要がある。なお、これら特別の規制についても、消費者庁は取り扱っているので、不明な点があれば相談するのが良いであろう。

    広告表示が違法とならないようにするためには、これらの点に注意すべきである。また、消費者庁が公表しているガイドラインの改訂を注視し、これに対応していく必要がある。

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