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ネットゲームで子どもが勝手に課金。親は課金を取り消せるか?【1/1】

2014年1月16日 18:26家庭を守る法的知識

ネットゲームで子どもが勝手に課金。親は課金を取り消せるか?

小学生の子どもが親のクレジットカードを勝手に使ってオンラインゲームで遊び、後日親のもとに高額の請求書が送られてきた――。
国民生活センターによれば、このような相談がここ数年で急増しているという。
親は携帯電話やネットゲームの仕組みをよく知らず、子どももクレジットカードなどの決裁手段の意味をよく理解しないまま安易に課金に使用してしまうため、トラブルが発生しやすい状況が生まれているのである。
では、子どもが親に無断で課金をした場合であっても、クレジット会社から請求されれば親はその料金を支払わなければならないのだろうか。


 

1 親がとりうる法的手段

未成年者が親などの同意を得ずに契約を結んだ(つまり、課金をした)としても、原則として、親が未成年者の法定代理人として契約を取り消すことができる(民法5条2項)。具体的な方法としては、まず電話や手紙などで(クレジット会社ではなく)運営会社に契約取消しの意思を伝え、それでも納得してもらえないようであれば、改めて内容証明郵便で通知をすることになる(内容証明郵便を使えば、会社に対してきちんと取消しの意思を表示したということが公的に証明されるため、裁判でも証拠として使うことができる)。もちろん、その間にクレジット会社に連絡して、決済を待ってもらうよう頼むことになるであろう。

2 どんな場合に問題になるのか?

ただし、次のような場合には取消しが許されないため、注意を要する。

  • ① 親が課金に同意していた場合
  • 親が同意をしていれば、子どもでも有効に契約を結ぶことができる(民法5条1項)。
    いわゆるキャリア課金方式(課金分の代金を携帯電話の利用料金と合わせて請求する方法)の場合には、子どもが利用できる額の上限を親が予め設定できるようにされていることがあるが、親が例えば月額5万円を上限額として設定していれば、子どもが行う個々の課金についてもその範囲で同意を与えていたと判断されることが多いと考えられるので、設定の際には注意すべきである。
    問題は、子どもが勝手に親名義のクレジットカードを使って課金をし、あたかも親自身が課金を行ったかのような状況が生じてしまっている場合の対処法である。
    このような場合、もし最終的に裁判になれば、契約を締結したのが親自身ではなく子どもであったということは、親の側が証拠を揃えて明らかにしなければならない。たとえ本当は子どもが無断でカードを使用したのだとしても、それを立証できなければ裁判には負けてしまうから、このような状況が生じないように普段からカードを厳重に管理しておくべきであろう。

  • ② 処分を許されたお金を使って課金した場合
  • 親が、一定の金額をゲームの課金に使うことを予め許していた場合や、子どもが自由に使える小遣いとして一定の金額を与えていたような場合には、その金額の範囲内で課金がされている限り、取消しをすることはできない(民法5条3項)。

  • ③ 子どもが「詐術」を用いた場合
  • 子どもが、取引の相手に対して、自分が大人である、あるいは取引について親の同意を得ていると信じさせるために嘘をついた(このような嘘を「詐術」という)ような場合には、子どものした契約であっても取消しは許されなくなる(民法21条)。
    したがって、課金をする際に「未成年者の場合は親の同意が必要です」などと画面に注意書きが表示され、生年月日や年齢の入力が求められているような場合、子どもが嘘のデータを入力して自分を大人に見せかけようとすれば、取消権を失う可能性が高い。
    他方、単に「成年ですか」という質問が出て、それに対して「はい」をクリックしただけのような場合には、「詐術」とまではいえず、取消しがなお許されることもあり得る。

    3 その他生じうる問題

    もっとも、取消しが可能な場合であっても、「どうせ取り消せるから」などと考えて好き勝手に課金をして遊び、運営会社に損害を与えれば、子ども自身に不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)が生じる可能性がある。子どもが物事をきちんと判断できる年齢(判例上は12歳程度とされる)に達していなければ、親が損害賠償責任を負うことになるし(民法714条)、そのような年齢に達していたとしても、親の躾があまりに不十分であったため子どもが料金を踏み倒すような行動に出たのだと裁判所が判断すれば、やはり親が損害賠償責任(民法709条)を負わなければならなくなる。
    取消しが可能であるからといって油断せず、普段から親子でゲームの遊び方について話し合い、有料ゲームで遊ぶのを許す場合には、ペアレンタル・コントロールやパスワード設定によって操作を制限することが必要である。また、クレジットカードについても、子どもが容易に取り出せない場所に保管し、利用明細を毎月又は定期的に確認するなど、普段から管理に気を配っておくべきである。
    そして、もしトラブルが生じた場合には、最寄りの消費生活センターや法テラス(日本司法支援センター)などに連絡し、速やかに専門家に相談してもらいたい。

    参考図:課金の際の債権債務関係

    課金の際の債権債務関係

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