勤め先の会社が倒産。未払いの給料はどうなる?【1/1】|スキルと市場価値UPに役立つ情報ポータルサイト「キャリア@PRO人(プロジン)」  

勤め先の会社が倒産。未払いの給料はどうなる?【1/1】

2014年1月16日 18:37家庭を守る法的知識

勤め先の会社が倒産。未払いの給料はどうなる?

平成25年の国内での企業倒産の件数は、負債総額1千万円以上のケースに限っても、1ヶ月あたり約900件にも上った。
給与所得者の場合、勤務先の会社が倒産すれば、すぐに再就職先が見つからない限り、日々の生活に深刻な影響が生じることは避けられない。そして、養わなければならない家族がいる場合、更に状況は切実なものとなる。
そこで、今回は、勤務先の会社が倒産した場合に、どのようにして未払いの給料を確保できるのかを考えてみたい。


 

1 各種倒産手続によって異なる未払い給料の扱い

雇い主である会社が倒産したとしても、未払いの給料の支払いを受ける権利が消滅するわけではなく、会社はきちんと給料を支払わなければならない。
一般に「倒産」と呼ばれる現象は、法律上は「破産手続」「民事再生手続」「会社更生手続」などに分類されるものであるため、各手続における取扱いの概略を紹介する。

  • ① 破産手続の場合
  • 破産手続とは、裁判所によって選任された破産管財人が、経済的に破綻した会社の全財産を金銭に換えて債権者に配当する手続である。
    破産手続では、手続開始前の3ヶ月間の賃金債権、退職した場合には退職前の3ヶ月間の賃金額(なお、手続開始前3ヶ月間の賃金額の方が多い場合はそれによる)に相当する額の退職金債権が、「財団債権」という強力な債権として扱われ、配当手続を待たずにいつでも支払いを受けられる。また、この条件にあてはまらないものであっても、雇用関係に基づき生じた債権である限り、「優先的破産債権」という「財団債権」に次いで強力な債権として扱われ、配当手続では優先的に支払いを受けることができるし、配当手続前でも裁判所が許可すれば早期に支払いを受けられる可能性がある。

  • ② 民事再生手続の場合
  • 民事再生手続とは、経済的に困窮した会社が、自ら提案した再建計画について債権者や裁判所の承認を得て、その再建計画に従って事業の再建を図る手続である。
    民事再生手続では、雇用関係に基づいて生じた債権であれば「一般優先債権」という比較的強力な債権として扱われ、いつでも支払いを受けられる。また、手続開始後に生じた賃金債権も「共益債権」という強力な債権として扱われ、やはりいつでも支払いを受けられる。

  • ③ 会社更生手続の場合
  • 会社更生手続とは、経済的に困窮した株式会社が、裁判所によって選任された更生管財人が作成した更生計画案に従い、経済的更生を図る手続である。
    会社更生手続では、手続開始前の6ヶ月間及び手続開始後の賃金債権は「共益債権」という強力な債権として扱われ、いつでも支払いを受けられる。また、それ以外の賃金債権は「更生債権」という債権となり、やはり一定の優先的な扱いを受けることができる。

    2 未払賃金の立替払い制度

    上記のような取扱いが法律で定められているとしても、会社の全財産をもってしても従業員の未払い給料を支払いきれないという事態は往々にして生じるし、支払いを受けるまでにかなりの時間や費用がかかることもあり得る。
    そこで、早期に確実に支払いを受けるためには、いわゆる賃確法(「賃金の支払の確保等に関する法律」)に基づき、国に対して未払賃金の立替払いを求めることが考えられる。
    立替払いの対象となり得るのは、原則として、立替払いを請求するまでに支払期限が到来している未払賃金の8割に相当する額である。ただし、未払賃金が2万円未満の場合は支払いを受けられないし、退職時の年齢に応じて上限額も定められているため、最高額が支払われる45歳以上の場合でも300万円程度の支払いを受けられるにとどまる。
    また、この制度を利用するためには、支払いを求める者が、会社が破産の申立てなどをした日の6ヶ月前から遡って2年以内に会社を退職している必要があるので、退職時期によって受給資格が制限されることに注意を要する。

    3 その他関連する制度

  • ① 建設業界の特殊ルール
  • 建設業界においては、重層的な下請が行われ、その中間に位置する業者が倒産して孫請業者に賃金が支払われなくなるケースが多いことから、零細建設業者を保護するための「立替払いの勧告」という制度が存在する。
    この制度は、元請となる一定の大規模な建設業者が1次下請けの業者に支払いを済ませていたとしても、その下に連なる2次下請け以下の業者が支払いを受けられずにいる場合には、国土交通大臣又は都道府県知事が、元請業者に対して、その2次下請け以下の業者に未払賃金を立替払いするよう勧告できるという制度である(建設業法41条2項)。
    元請業者は、この勧告に違反すれば建設業許可の取消しというペナルティを受けることがあり得るため、孫請業者は比較的速やかに立替払いを受けられることが期待できる。

  • ② 雇用保険の失業給付
  • 直接的には未払賃金の話ではないが、会社が倒産して職を失い、ハローワークなどに通って自助努力をしても再就職先が見つからない場合には、失業給付の受給に際して「特定受給資格者」として一定の優遇措置を受けることができる。
    具体的には、通常の場合より雇用保険の被保険者期間が短くても構わないとされ(退職前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あれば足りる)、受給資格決定の日から7日を過ぎれば受給資格が生じる(通常は更に3ヶ月間待たなくてはならない)など、受給要件が緩和されている。また、中高年の労働者や勤続年数の長い労働者は特に給付を受けられる期間が長くなっており、給付の内容も通常より手厚いものとなっている。
    したがって、会社の倒産を原因として退職する場合には、失業給付の申請に備えて、退職理由が正しく記載された離職票を会社から受け取っておくことが極めて重要である。

    このように、勤め先が倒産した場合といっても様々な制度がある。もちろん、勤め先が倒産しないことが一番であるが、もしものときに慌てないように知っていて損はないであろう。

    参考図:勤務先が倒産した場合における時点別の行動の指針

    勤務先が倒産した場合における時点別の行動の指針


    1. http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/13kami.html

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