債務が返済できない!家族を守るために自己破産すべきか【1/1】|スキルと市場価値UPに役立つ情報ポータルサイト「キャリア@PRO人(プロジン)」  

債務が返済できない!家族を守るために自己破産すべきか【1/1】

2014年1月16日 18:53家庭を守る法的知識

債務が返済できない!家族を守るために自己破産すべきか

1 多重債務サラリーマンになったらどうするか

順調に会社に勤め、一定の給料を確保しているサラリーマンでも、マイホームの住宅ローン、子どもが成長するにつれて膨らむ教育費、高額の生命保険への加入、金融商品への投資の失敗などの様々な要因により、気づけば債務が嵩み、とうとう返済が不可能な事態に陥ってしまった...というケースは珍しくない。


 

そのようなとき、債務を整理するための法的な手段は、いくつかある。
まずは、債権者たちと交渉し、支払期限を猶予してもらったり、利息の免除を受けたりして債務を減らし、その上で残った債務を返済する方法である。債権者と直接交渉するのは一般的には困難なので、弁護士に頼んだり、裁判所の調停を利用したりすることもある。
交渉がまとまらない、あるいは、交渉の結果債務を減らせたとしても完済のめどが立ちそうにないといった場合、いよいよ「倒産」という手段を考えることになる。倒産といえば企業がするものというイメージだが、個人の経済的な破綻も「倒産」である。

2 個人の倒産の方法2つ

サラリーマンの倒産には、大きく分けて2つの方法がある。1つは、民事再生法に規定された「個人再生」というものである。裁判所に申し立てて、家計を再建するための「再生計画」を立てた上で、その計画に従って月々の給料の中から債務を分割弁済していく。原則3年・最長5年の間、怠らずに弁済を続ければ、残りの債務を免除してもらうことができる。
そしてもう1つが、いわゆる「自己破産」、つまり自ら裁判所に破産を申し立てることである。破産とは、破産する人が所有する全ての資産を換金し、それを債権者に配当するという手続であるが、配当をしても弁済しきれずに残った債務については、「免責許可」の手続をとり、裁判所による免責の許可を受けることができれば、一部の例外はあるものの、全て返済しなくてよくなるというのが特徴である。
債務を100パーセント免れる可能性のある手段として、自己破産は、個人が倒産する場合の中心的な手段といえるだろう。

3 自己破産により債務をゼロにしてリスタート

自己破産の申立てにかかる手数料は、1000円と少額だ。それ以外に手続費用も必要だが、破産を申し立てる人が持っている資産の価値が低額(概ね20万円未満)である場合には、手続費用は1万4千円程度で済む。手続にかかる時間も、財産が少ない場合には短期間で済むだろう。
「簡易な手続で、債務を全てなくして新しいスタートを切ることができる」。これが、自己破産の手続をとる場合の最大のメリットといえる。個人再生の方法と違って、破産手続が開始した後に得る給料は全て自分の財産となり、債務の弁済にあてられることはなくなる。堅実に貯蓄をして将来に備えることが可能になるのである。

4 自己破産の家族への影響

一方、自己破産をした場合、その後の生活においてはデメリットもある。自己破産をするかどうかは、以下のようなデメリットも踏まえて慎重に考えるべきである。

  • ① 大切な財産を失う
  • 破産をすると、自分が所有する不動産などの価値の高い財産は全て失うこととなる。それまで生活の場としていたマイホームや、家族を乗せて外出するため使っていたマイカーも、手放すことを覚悟しなければならない。また、価値ある財産を有している場合、破産手続にかかる時間や費用が多くなってしまう。
    必要生計費としての現金99万円や、最低限の家財道具などは手元に残されるが、家族で生活していくのに十分な状況とはいえないだろう。賃貸物件に居住する場合にも、家賃がより低額な物件に移り住まねばならないかもしれない。家族みんなの生活環境に変化が生じる可能性があるのだ。
    ちなみに、自己破産ではなく個人再生の手続によって倒産すると、マイホームを手放さずに生活を続けることも可能な場合がある。個人再生は、財産を保持し続けることを認める代わりに、将来の収入から計画的に債務を弁済していくという制度だからである。もっとも、個人再生の方法は、最長で5年間、ある程度厳しい額の返済を続ける必要があるし、住宅ローンについては全額を完済するまで支払いを続けなければならないから、楽な手段ともいえないだろう。

  • ② 職を失う可能性
  • 会社勤めのサラリーマンが破産をしても、一般的な雇用関係には影響がない。しかし、資格に制限が加えられる場合があるから、気をつけなければならない。例えば、公認会計士や弁理士、有価証券投資顧問業者、保険勧誘員(損保代理店、生命保険外交員)、警備員、建設業者など、一定の職業に就くことができなくなるし、法人の理事や後見人の資格もなくなる。資格が制限されるのは、破産手続が始まってから免責許可の決定が確定するまでの期間(概ね数ヶ月)だけではあるが、その間、休職を余儀なくされたり、信用を失って会社を辞めざるを得なくなったりと、仕事や収入に大きな影響が出るおそれがある。
    また、会社の役員(取締役、監査役など)をしている人も注意が必要だ。通常、会社と役員との関係は委任契約に基づいているのだが、委任契約は、法律上、当事者の一方が破産すると自動的に終了すると定められている。会社の役員が破産すると、役員としての地位が失われてしまうのである。

  • ③ 「ブラックリスト」に載る
  • 破産をした場合、金融業者等が加盟する個人信用情報機関に「事故情報」として登録される。いわゆる「ブラックリストに載る」という事態が生ずるのである。
    ブラックリストに載る期間は、長い場合で10年にも及ぶ。その間は、銀行などから融資を受けたり、ローンを組んだりといったことができなくなる。また、使用しているクレジットカード、家族カードは使えなくなってしまうし、新たにクレジットカードを作ることも非常に難しくなる。
    この、「ブラックリストに載る」ということが、その後の家族の生活に及ぼす影響は小さくない。
    例えば、子どもが私立学校に通って高額の学費がかかる家庭の場合、金融機関から融資を受けられなくなったり教育ローンが組めなくなったりすることは、非常な痛手になる可能性がある。学費を賄うために、ブラックリストに載っていても使える公的貸付を探したり、各種の奨学金制度を利用したりするなどの手当てが必要となるだろう。また、破産によりマイホームを失ったため、新たに住居を確保しようというときにも、家賃の支払にクレジットカードが利用されている物件では、入居審査に通らないといったことが起きる。

  • ④ 保証人に迷惑がかかる
  • 破産者自身が債務の免責を受けられたとしても、その債務を保証していた保証人には免責の効果は及ばない。
    例えば、破産した夫の債務を妻の両親が連帯保証していた場合には、妻の両親のもとに債務が残ってしまうことになる。夫が自己破産すれば、債権者はすぐにでも保証人である妻の両親に対して、残債務を支払うよう請求してくるだろう。そのようなケースでは、保証人である妻の両親まで自己破産を余儀なくされることもある。
    自己破産は、自分のために保証人になってくれた人たちを窮地に追い込むことにもなりかねないのだ。

  • ⑤ 債務が免責されない可能性
  • 破産の手続をとったとしても、賭博や浪費などによって財産をひどく減少させていた場合や、財産隠しをしていた場合などには、免責が認められなくなるおそれがある。お金の使い方や財産管理の仕方を、普段から誠実にしておく必要がある。
    また、免責許可が下りても、例外的に免責されない債権がある。例えば、税金や、不法行為に基づく損害賠償債務、家族に対する扶養料などの支払債務は免責されない可能性がある。また、当然ではあるが、免責されるのは破産を申し立てた本人の債務だけであり、妻や子どもが負っている債務については家族のもとに残ることになる。

    5 あなたは自己破産を選択するか?

    以上のように、自己破産の手続をとれば、債務をゼロにした上で新たなスタートを切れる可能性があるし、法律上も、自己破産は、経済的に破綻してしまった人が生活を立て直す機会を得るための正当な方法と位置づけられている。
    しかしその反面、既に述べたとおり、家族や周囲の人たちへの影響は非常に大きい。破産を機に離婚してしまうなど、家庭が崩壊するというのもままあることである。
    肝要なのは、このような手続を取らざるを得ない状況に陥らないよう、家計をしっかり管理することである。住宅ローンを組む前に、予想される将来の収入に照らして返済能力があるかどうか、十分に吟味すべきだろう。また、子どもの教育費についても、計画的に貯蓄する、学資保険を積み立てるなど、事前に手立てを講じておこう。そして、万が一、債務を返済できない状況が自分に訪れたとき、自己破産という選択が適切なのかどうか、破産後の生活設計もシミュレーションしながら、一度考えてみるのもよいかもしれない。

    参考:各倒産手続の特徴の比較

    各倒産手続の特徴の比較

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